2024年9月議会 のどか質問④ 市立病院の産科機能について
病院局って、本当にすごいなと思います。だって、病院を経営してるんですよ?これまでも委員会の報告などで病院の経営上の課題など話を聞いていて、34年間ずっと患者側の視点でしか見たことがなかった私にとって勉強になる話ばかりでした。
質問はまず助産外来について。共産党が何十年も前に、絶対実現できないだろうなと思いつつ要求していたら、なんと実現できた!という制度だというのは聞いていましたが、議員も代替わりして詳しい状況がわからなくなっていたので確認のため調査したのがきっかけです。私も自分の妊娠・出産時には助産師さんの健診を受けていて、その良さがめちゃめちゃよくわかるので、ぜひ今後も続けてほしいという願いを込めて質問することにしました。そしたら産科機能に関することでいっぱい気になり始めたので、こういう寄せ集めた感じの質問になりました🙃
いやしかし、正常分娩の保険適用、どうなることやら…いまの政治体制のなか、不安しかない!

市立病院における産科機能について伺います。まず川崎病院では助産外来を行っていますが、近年の利用者数の動向と、病院や妊婦にとってどのようなメリットがあるのか伺います。
川崎病院の助産外来についての御質問でございますが、助産外来の利用者につきましては、令和4年度は1066件、5年度は1205件、6年度は4月から7月までで425件となっております。
助産外来につきましては、助産師が産科医師に代わり、 妊娠24週、30週、38週の計3回、妊婦健診と保健指導を行うものでございますが、妊婦の不安やさまざまなニーズにきめ細やかに対応するとともに、産科医師の過重な負担の軽減を図ることができることがメリットで あると考えております。
利用者数は増加傾向にあるとのことです。また妊婦にとっても病院側にとってもメリットがあることも確認できました。次に助産外来に入っている助産師の人数の推移について伺います。また、現時点でマンパワーは十分なのか伺います。
川崎病院助産外来における助産師の人数についての御 質問でございますが、助産外来は、令和4年度は15人、5年度は14人、 6年度は15人の経験年数4年目以上の助産師が担っておりまして、現時点では、マンパワー不足は発生していないものと考えております。
助産外来の利用者が増えているのに対して、助産師の人数は横ばいですが、ヒアリングでは分娩数が減っているため、助産外来にも十分対応できているとのことでした。先ほどの答弁にもあった通り、この助産外来は「妊婦の不安やさまざまなニーズにきめ細やかに対応できる」というメリットがあります。予約の枠もひとり30分となっていて、多くの場合5〜10分程度で終わってしまう医師による健診よりもゆっくりと時間をかけて妊婦のようすや不安を確認することができます。これは人手が十分あってこそ提供できるサービスです。医師の働き方改革が進むなか、助産外来の役割はより一層大きくなると思うので、十分な人材が確保できているかは現場の助産師の声も聞きながら頻繁に確認するようお願いします。
次に、立会出産についてです。2018年に策定された川崎市立川崎病院 医療機能再編整備基本計画では、立会分娩への対応や分娩室の個室化などが位置付けられています。必要な改修について、現在の状況と今後のスケジュールについて伺います。
川崎病院における大規模改修工事についての御質問でございますが、分娩室等の改修を含む既存棟の大規模改修工事につき ましては、本年6月14日の期日までに入札参加申込み がなく入札不調となりました。
これを受けまして、工事業者へのヒアリングなどを実施し、現在、関係局と連携し、今後のスケジュールも含 め、再発注に向けた検討などを進めているところでござ います。
入札不調から3ヶ月経っていますが、不調となった理由もまだはっきりとしていません。再発注がスムーズに行くよう、しっかりと原因究明や調整をして、安心して出産にのぞめる快適な空間が1日も早く実現できるようお願いします。
入院助産制度についてです。川崎病院、多摩病院で行っていますが、その案内が各病院のホームページには載っていません。必要な妊婦がよりみつけやすいように、ホームページに制度について掲載すべきだと思いますが、伺います。
入院助産制度についての御質問でございますが、入院助産制度は、生活保護世帯などの出産費用を負担 できない方が、安心して入院出産できるよう補助を行う、 児童福祉法に基づく制度でございまして、利用に当たりましては、区役所の関係部署での要件の確認や対象の方 からの申請が必要となります。
このため、川崎病院、多摩病院では、対象の方が必要とする他の福祉制度も含め、区役所の関係部署と連携して対応しているところでございます。
今後も様々な心配を抱える方が、安心して受診していただけるよう、こうした対応を継続してまいります。
入院助産制度を利用する際は、区役所での確認や申請が必要とのことですが、だからと言って病院のホームページに記載しなくてもいいことにはならないと思います。大事なのは、妊婦の立場に立って考えることです。妊娠の可能性がわかったとき、まず多くの人が病院を探すところから始めます。経済的に厳しい人にとって、お金の心配が念頭にくるのは当然のことで、病院を探している中で入院助産制度の紹介が載っていればそれだけまず安心感が大きいと思います。妊娠したと思われる女性が最初に見る情報源は多くの場合病院のホームページだという認識を持って、大事な情報を掲載するようお願いします。
最後に国は来年度にも正常分娩を保険適用にする方向で調整していますが、病院経営への影響について見解を伺います。
出産費用についての御質問でございますが、出産費用の保険適用の導入につきましては、現在、国において検討を進めているところと伺っておりまして、 病院経営への影響も含めまして、国の動向を注視しているところでございます。
一番注目されているのは、公定価格がいくらに設定されるかです。地方と都市部では分娩の経費に差があり、全国で一律の価格が設定された場合、とくに都市部の分娩施設の減収や経営の圧迫がおこるのではと懸念されています。開業医からは公定価格が低すぎた場合は、閉院するといった声も相次いでいます。もちろん、川崎病院、多摩病院ともに公定価格が低くても分娩機能を維持する必要があることは言うまでもありませんが、すでに全体として診療報酬が低い水準で抑えられているなか、病院経営をさらに圧迫する懸念、そして周辺の分娩施設がなくなってしまった場合のしわ寄せなど不安が残ります。国の動向を注視するとのことですが、必要があればしっかり要望を伝えるなど積極的な対応をお願いします。