斉藤のどか
斉藤のどか斉藤のどか

2024年9月議会 のどか質問③ 百合丘地域の救急体制について

消防局、本当にわからない…!昨年度、文教委員会にいたときは子育てとか教育とか、私にとって身近なテーマだったので基礎があったけど、消防局ってまったくのゼロの状態からスタートなので苦労しました〜!(今もしてます〜!)

でも、とある日に、まったく違う2人の人から「麻生区で救急車を呼んでもなかなか来ないらしい」という噂を聞いて気になってしまいました。そしてふと思い出したのが、4月の委員会で報告されたもの。百合丘地域の救急体制が、特にひっ迫してるという話があったような…🧐それで改めて見返すと、ほんとこの川崎市の「消防署所の整備・維持管理の考え方」ってやつがひどい…!消防署所の改築は、老朽化で施設そのものの安全性が担保できないものが【最優先】され、「救急需要が増えてて新しい救急隊を配置しないといけないから改築しなきゃ!」というのはそのあとに考慮します、という中身です。えっ待って、これじゃ、いつになったら百合丘出張に救急隊を配置できるの…???

質問のなかでは言ってないけど、根本にある問題は川崎市の「資産マネジメント」の考え方。将来人口が減少するから、それに備えて公共施設の数を最小限に抑えるという内容で、うちの宗田団長が取り上げたテーマです。おかしいのが、人口減少時代と言っても今より人口が減るのって30年近く先のことなんですよね…今から公共施設減らしたら今いる市民がほんと大変なことになっちゃいます💦


12款1項1目常備消防費に関連して、一問一答で伺います。川崎市は、救急出動件数が増加傾向にあり、平均現場到着時間を縮めようと取り組みがされています。その中、今年4月の健康福祉委員会で「消防署所の整備・維持管理の考え方について」の報告があり、2022年については百合丘、梶ヶ谷、子母口、中原・高津の4つの地域で救急出動件数も平均現場到着時間も全市平均を上回ったとの話がありました。そのうち、特に百合丘地域について質問したいのですが、まずは昨年の百合丘地域の救急状況について、平均到着時間と1ヘクタールあたりの出動件数について伺います。また、他地域との差がある理由といつからその傾向があるのか伺います。

救急出場についてのご質問でございますが、令和5年の麻生消防署百合丘出張所の受持区域の平均現場到着時間につきましては、全市平均が9分48秒のところ10分53秒、1ヘクタールあたりの出場件数は全市平均が6件のところ5件でございます。また、他地域との平均現場到着時間の差につきましては、平成30年に王禅寺救急隊、令和2年に宿河原救急隊を増隊したことにより一旦は改善したものの、百合丘出張所には救急隊が配置されていないことに加え、麻生区の救急出場件数の増加率が大きいことが理由であると推察しております。

出場件数は全市平均よりも少ないのに、平均現場到着時間は全市平均よりも1分5秒も長いという状況です。原因として百合丘出張所に救急隊が配置されていないことが挙げられていますが、そうであれば救急隊を設置すれば解決できるということだと思います。実際に、4月の委員会の説明でも、百合丘地域について「24時間運用の救急隊の配置が効果的」としていました。しかし百合丘出張所は救急隊を配置する設備が整っていないなどの理由で見送られ、結論としては、今後市内に設置される新たな救急隊の波及効果を検証するとのことでした。新たな救急隊とは、今年度中原消防署に設置されたデイタイム救急隊と、来年度高津消防署に配置予定のデイタイム救急隊、それからその後、子母口出張所に新たな24時間の救急隊の設置も検討されているとのことですが、波及効果が確認できるのは3〜4年先のことになります。波及効果が出るのを待っているあいだも、必要があれば近隣地域に増隊するなど百合丘地域の状況改善に取り組むよう、要望します。

そもそも、これらの新たな救急隊はいずれも百合丘地域からは離れていて波及効果があるのかどうかも不安です。そして問題は、百合丘地域の状況が今後も改善されず、やはり新たな救急隊の設置が必要になっても、果たしてそれができるのかという懸念です。救急隊を設置するとなるとまずは百合丘出張所の改築が必要になりますが「消防署所の整備・維持管理の考え方」によると、まず劣化調査の結果や老朽化による課題がある署所がピックアップされます。その後、救急需要などを考慮して最終的に整備する施設を決めるとしています。百合丘出張所は築33年と他の施設に比べると新しいほうです。そもそも最初の段階でピックアップされない可能性が高いと思うのですが、伺います。

百合丘出張所の改修についてのご質問でございますが、百合丘出張所は平成2年11月に建築されまして、28の消防出張所の中では15番目に築年数の古いものでございます。
消防出張所の改修・改築につきましては、令和5年度に策定しました「消防署所の整備・維持管理の考え方」におきまして優先順位について「築年数を踏まえた施設劣化調査の結果、老朽化による課題」「消防・救急需要の変化に対応するための施設の整備」「必要機能・設備の不足」の3つを検討項目として、都度見直しを行うものとしているところでございます。

優先順位については3つの項目を検討して都度見直す、との答弁です。しかし「消防署所の整備・維持管理の考え方」には、最優先するのは「施設劣化調査の結果と老朽化による課題」ということがはっきり書いてあるのです。つまり、まずは老朽化による課題を抱えている施設を最優先で探す、それに該当する施設がなければ初めて優先順位が見直されて、例えば「消防・救急需要の変化」など別の項目を優先して整備しようということになるのです。都度見直す、といっても、老朽化している施設よりも救急需要が変化している施設が優先されることはないのです。これを考慮すると、百合丘出張所に24時間の救急隊に配置しようと思っても、百合丘出張所に老朽化による課題が見つかって最優先で整備されるか、あるいは老朽化による課題を抱える署所が市内どこにもなく、「消防・救急需要の変化」という項目が優先されてその中で百合丘出張所が選ばれるか、ということが起きなければ、改築も救急隊の配置もできないということです。

救急隊は、市民の命を守るための重要な基本的なインフラです。施設の老朽化などに関わらず、必要なときに必要な場所に設置するべきだと思いますが、伺います。

救急隊の配置についてのご質問でございますが、新たな救急隊につきましては、救急出場件数や救急隊の平均到着時間等を考慮し配置しているところでございまして、引き続き救急需要の動向に応じた効率的・効果的な救急隊の配置に向け、取り組んでまいります。

救急出場件数や救急隊の平均到着時間等を考慮して配置しているといっても、その平均到着時間「等」の中に消防署所の劣化や老朽化の状況という検討項目も含まれているのです。もちろん、老朽化で今にも崩れそうな署所があればそれは早急に直すべきです。でもだからといって、救急需要が大きく伸びている地域への救急隊の配置が後回しにされるのは納得できないし、許容されることではないと思います。

最後に局長に伺います。いま川崎市は全市的に平均現場到着時間を短くしようとしています。しかし全体の平均を下げるだけでなく、地域間の差をなくしていくことも大切だと思います。見解を伺います。

救急車の現場到着時間の維持・短縮による救命効果の向上を図ることは重要なものと認識しているところでございまして、引き続き、救急隊の適正配置につきまして、検討を行ってまいります。

地域間の差について、言及はされませんでした。百合丘地域の方が聞いて安心できる答弁ではないのかなと思います。もちろん市内全部の地域をまったく同じ現場到着時間にするのは不可能でしょうが、全市平均よりも1分以上も長い、しかも心肺停止時の1ヶ月社会復帰率向上に影響を及ぼす10分を超えてしまっているといった地域があればそれは危機感を持って対応していただきたいと思います