斉藤のどか
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3月議会、ほぼすべてをまとめました!

【予算議案】

令和6年度予算に関する議案が20件出されました。大きな特徴は、市税収入は過去最大で財政力は政令市トップなのに、社会保障費は政令市の平均以下であること。一方で不要不急の大規模開発事業には積極的にお金を費やし、市民にとって不公平な予算だと指摘しました。日本共産党は「予算組み換え動議」を出し、より市民にやさしいお金の使い方を提案しました。

財源は

  •  不要不急の大規模開発事業*を中止(約12億円)
  • 当面使用する予定のない基金*からの借入・取り崩し(約171億円)

の計約183億円。

*不要不急の大規模開発事業:川崎市南部の臨海部で、道路やコンテナターミナルを整備するなどの内容。主に、JFEスチール(株)が撤退した跡地を整備して、国が進める水素発電の拠点をつくるために行われるものです。そもそも跡地の処理は撤退した会社が責任を負うべきです。また、国の水素戦略では大量のCO2排出が避けられず、気候危機対策に逆行するため、共産党は反対しています。またこれらの大規模開発事業を行うために新たに約49億円の市債(=借金)を発行する予定になっていますが、中止をすればこの新たな借金も必要なくなるメリットもあります。

*当面使用する予定のない基金:共産党は計5つの基金(総額約3,253億円)から借入・取り崩しをするべきだと提案しました。そのうち一番大きなものが「減債基金」です。これは市債(=借金)の返済にあてるための積立金ですが、実は川崎市は他の政令市平均に比べて約900億円も多く貯めています。このごく一部を今活用し市民生活を改善することで、将来の世代にとっても住みやすいまちづくりができると考えています。

 このお金があれば、例えばこんなことが実現できます↓

特別養護老人ホームの緊急増設(5カ所) 4.6億円

国民健康保険料の値下げ(1世帯年額1万円減額) 17億円

子どもの医療費を18歳まで完全無料に 11億

小中学校給食を無料に 58億

返す必要のない大学奨学金制度の拡充(1人あたり入学金15万円補助、授業料年額40万円補助を100人分) 5500万円

単身者の家賃補助(毎月1万を2,000人分)2.4億円

財源の確保の仕方とそのお金の使い方を27提案しましたが、共産党の予算組み替え動議は他の議員の賛成を得られず、否決されました。共産党はもともと提案されていたもののうち、変更すべき予算案など9件に反対しました。

【その他の議案】

令和6年度予算に関する議案以外では、72件の議案が出され、共産党は24件に反対しました。

反対議案

議案第2号 川崎市行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改定する条例の制定について→
マイナンバーに関する規制をゆるめた法改定に伴う条例改定案。プライバシー侵害の危険性を一層高める法改定には国会でも反対しました。

議案第6号 川崎市コミュニティセンター条例の制定について
川崎区にあるこども文化センターと老人いこいの家をなくして、代わりに「コミュニティセンター」をつくるというもの。こども文化センターと老人いこいの家は残した上でやるべきなので反対しました。

議案第10号 川崎市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について

介護保険料を引き上げるもの。物価は上がるのに年金が実質的に目減りするなか、介護保険料の値上げはすべきではありません。

議案第33号川崎市小中学校空調設備更新整備等事業の契約の締結について

2041年までの17年間、市内の計154校の空調設備の維持管理などを一括して企業団に任せるもの。市内事業者の育成や支援、市内経済の活性化のためには分離分割して発注すべきです。

その他

・登戸・向ヶ丘遊園地区の都市計画が変えられ、住民からの反対が根強い超高層マンションなどの建設を図る内容になったことに伴う条例改定(議案第16号、19号)

18号

・建物の耐火性能にかかる規制を緩和した法改定に伴う条例改定(議案第17号、23号)

・首都高速道路の利用料金を徴収する期間を延長するもの(議案第31号)

・障害福祉サービスや介護医療院などに関する省令が改定されことに伴う条例改定。施設や利用者の安全を損ねる省令改定があったものについて反対(議案第67号、71号、74〜80号、82〜86号)

【意見書】

意見書案第1号「政治資金規正法違反疑惑の徹底解明を求める意見書」 (共産党案)

意見書案第2号「政治家の政治資金に関わるコンプライアンス遵守を求める意見書」(自民・みらい・公明・維新案)

いわゆる裏金問題に関する意見書が2つ提案されました。共産党が提案したものは否決されましたが、他会派が共同提案したものは全会一致で可決されました。

意見書案第3号「大阪・関西万博の開催時期や会場の追加を含めた開催手法の見直しを求める意見書」

資材高騰や能登半島地震を理由とした開催の延期と、兵庫県などにも分散して開催することを求める意見書で、全体的には大阪万博を肯定する内容でした。大阪万博はそもそも開催すべきではないため、反対しました。

【決議案】

・決議案第1号「行政文書における誤解を招く記載内容の修正を求める決議」

市民文化局がつくった「川崎市多文化共生社会推進指針」にある地方参政権についての文言を修正すべきとの決議案で、外国人の地方参政権の保障を拒む立場から提案されたものです。「住民自治」の理念からすれば、永住外国人の地方参政権は当然保障されるべきですし、1995年に出された最高裁判決もこれを認めることは違憲ではないとしています。決議案には反対しました。

【請願】

・請願第12号「高齢者介護や障がい福祉を支える職員の処遇改善のために、国に対して介護報酬と障がい福祉サービス等報酬の引き上げを求める請願」

・請願第15号「高齢者向け優良賃貸住宅の家賃補助継続を求める請願」

「高齢者向け優良賃貸住宅」とは所得の少ないお年寄りでも安心して暮らせるように、20年間国と市から家賃の補助がされる賃貸住宅のことです。補助の打ち切りが目前に迫った住民からは「死ねと言われているのと同じだ」との声が届いたにも関わらず、市は継続しない立場です。住まいは人権という立場で賛成しました。

*意見書案と決議案と採決のとき、維新の会派の態度が分かれました。その後、単独行動をした議員1名が会派を離脱。残る維新の議員4名と、無所属議員1名が新たな会派「あしたの川崎・日本維新の会」を結成しました。