斉藤のどか
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ちょっと不安が残る議論

今日は請願の審査。国が保育士の配置基準を改善しても、市独自でやっている保育士を増員できる制度は残してほしい、という趣旨のものです。

結論からいうと、結果は継続でした。共産党は採択と主張、それ以外の議員のみなさんは継続とのことでした。 

そもそも配置基準は、保育士ひとりあたりが受け持つこどもの人数のことですが、いまの国の基準&新たな変更が赤字の()内、川崎市の制度を利用した場合、そして実際の保育士が理想と考えている人数を表にするとこんな感じです↓

国が決めている基準があまりにもひどくて、川崎市独自の制度をつかえばマシにはなるけど、保育士の理想には届きません。川崎市としては、とりあえず今は市独自の制度は現行のまま残すとしていますが、いま可能な配置以上の人数に増やす必要性は薄いと考えているとのことでした。

言い換えれば、保育士が理想としている人数にさらに近づけるための独自の支援は別にしないということ。

それではダメなんだ!ということを議論したくて、川崎市にとって、理想の保育はどんな保育なのかと聞くと、「今までは待機児童対策に力を入れてきた。今は多様な機能を果たさなければいけない」といった曖昧な答えでした。改めて、具体的に子どもたちにとって、どんな保育をしていくことが必要なのかと聞くと、「保育指針に沿わなければいけない」と。じゃあその保育指針の内容は?と聞くと、またまた曖昧な感じの答えでした。

保育所保育指針は保育所を運営するなかでの基本中の基本。中身は安心安全とかももちろんですが「こども一人一人の人格を尊重」「一人一人の子どもが、周囲から主体として受け止められ、主体として育ち、自分を肯定する気持ちが育まれていくようにする」といったことも書いてあります。ただおむつを変えて、ご飯を食べさせて、親が迎えに来るまで世話しとく、というものじゃなくて、子どもの成長を支える大事な役割があるのです。早い子は生後数ヶ月から保育園に通い始め、小学校に入るまで、1日8時間とか10時間とか、週5日、6日といった通い方をします。生活の大半を過ごす場所で、こどもたちの成長に大きな影響を与えるのです。当然、質の高い保育が必要ですが、それを実現するには十分な人数が大前提で、いまの川崎市の制度では足りないと伝えました。

ちなみに、私は保育指針の資料を持ち合わせてなくて、理事者から「保育指針」と答弁があったときに「あちゃーーーーー」となっちゃいました💦 以前相談を受けたときにひと通り読んでいて、概要はなんとなく覚えていたのですが、委員会の場でいうほどの自信はなくて。そしたら、なんと!隣に座ってる市古議員がちゃんとした資料を持ってたんです…!もう神〜〜〜😭😭って感じでした笑

待機児童ゼロを目指して、受け入れ枠を増やすなかで、保育の質という観点が抜け落ちてしまったのではという不安と、川崎市としてどういう保育を追い求めているのか、はっきりと職員の共通認識になっていないのではと不安が残る議論でした。保育関係を担当する部署には保育資格や保育士として働いた経験のある職員さんもたくさんいるそうですが、今日の委員会には出席していなかったからか、現場の状況をあまり把握していないような様子も見受けられました。