委員会で議案に反対!その理由は…
今日の委員会は議案の審査が中心でした。
今回は反対運動がすごく盛り上がってるような議案はなく、準備もちょっと気楽だったのですが、ひとつだけ反対したものがあります。
それが、
第192号 川崎市こども文化センター及び川崎市ふれあい館の指定管理者の指定について
端的ににいうと、こども文化センターとふれあい館の運営を任せる団体(=指定管理者 (*a) )を決める議案です。
こども文化センターは子どもが自由に遊べる施設なのですが、実はすべての小学校にあるわくわくプラザも運営しています。
意外と知らない人多いですよね、わたしも知らなかった!
ふれあい館は日本人と在日外国人とのふれあいをすすめることを目的にしている施設です。
これらの施設は民間の団体に運営を任せていて、一度お願いしたら、原則5年間任せることになっています。つまり5年に一度の議論(*b)で、一度決めたらその後5年間にわたって市民サービスに影響するのです。
ついでにもうひとつ、背景を説明すると、共産党はこ文とふれあい館の運営を民間に任せること自体に反対しています。やっぱり子どものための施設は継続性や専門性が必要不可欠なのに、5年ごとに運営する団体が変わってしまう仕組みではそれを担保できない、というのが主な理由です。(*c)
そしてここからが本題!すみません、前置き長くて💦
今までは5年ごとの契約といっても、毎回同じ団体に任せてて、どれもNPOとか公益財団法人だったたんです。でも今回初めて、一部の施設を株式会社に任せよう、と提案されたんです。
株式会社は利益を出すことが目的の団体です。こ文とかふれあい館を運営しても、子どもたちから利用料金をとることはできないので、利益を生み出そうとしたら人件費を削るしかありません。人件費を削ってしまったら、スタッフの給料は低くなってしまい、労働条件が悪ければこどもたちにも悪影響を及ぼしてしまい…ものすごく大きな問題です。
そこで、株式会社が出した見積りのなかで、予算のうち人件費にあてる割合がどれくらいなのか、聞いてみました。といってもそれだけではわからないので、比較するために、いま市内のこ文の大半の運営をやっている公益財団法人の見積もりも平均なん%くらいになっているのか聞いたら、
なんと!!
公益財団法人 約82% / 株式会社 約77%
明らかに人件費の割合が低く抑えられてる!!!
しかも!運営するときに市からもらえる金額の上限が決められているのですが、公益財団法人はその上限ぴったりの金額で見積もりを出したのに対して、株式会社はどちらも上限より少し安くしているのです。
つまり、もともと運営する予算も小さいのに、さらに人件費にあてる割合も小さい。これで本当にまともな給料支払えるの?????と聞くと、
川崎市は「大丈夫です👍」という感じでしたが、「数字はウソをつきません」とあとで市古議員がびしっと言ってくれました🤩
ということで、やっぱり子どものための施設に利益を追求する株式会社を入れてしまうと、そこで働く人の給料が削られ、結局は子どもたちにしわ寄せがいくので反対しました。
ちょっと誤解を招きそうなので補足すると、別に私たちは「株式会社=悪!!!」って思ってるわけじゃないんですよ。ただ、株式会社に任せてもいいことと、任せちゃいけないことってあると思うんです。とくに、子どものための施設とか、福祉施設とか、教育機関とか、自治体が市民の権利を守るために行なっている事業は、お金儲けと絶対両立できないし、両立させようとすると結果的には市民に影響してしまいます。
この人件費の問題以外にも、日頃わくわくに関するいろんな問題を耳にしているので、この機会に質問しました。気になってたことが聞けてよかった!と思う反面、やっぱり「あーいえばよかった、こーいえばよかった」と反省している点もいっぱい。新人だから後悔が残るのか、それともどんなに経験豊富の議員も100%納得する質問はないのか、どっちなんだろう🧐
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(*a) 公共施設の運営を任された団体のことを「指定管理者」といいます。公共施設の運営を、指定管理者に任せる仕組みのことを「指定管理者制度」といいます。かたーい表現をすると、「図書館に指定管理者制度の導入が議論されている」って感じの使い方になります。噛み砕いていうと、「図書館の運営を民間の団体に任せることができるように、仕組みを変えるかどうか議論されている」っていう意味なんですが、こんな小難しいことがどうして大事かというと、市民サービスに大きな影響を与える可能性があるからなんです。たとえば、この記事に書いてある内容とか。前からある問題だ、ということもポイントなのであえて古い記事引用しました。
(*b) すごーく細かいことですが、初めてこ文の指定管理者を決める議案が出たのは、2005年のこと。その後2010年、2015年と5年ごとに同じ内容が出されているのですが、4回目だけは2018年と間隔が3年になっています。理由は、「川崎市で中学生が殺されるという痛ましい事件が起きたのをきっかけに、市も子どもの施設のあり方を検討することにした、その結果をはやく反映するために2015年の指定管理者の契約期間を3年に短縮した」からです。恐ろしい事件を個人だけの問題として捉えるのではなく、社会としてどうやって防いでいくのか、という角度で考えるのはとても大事なことだと思いました。
(*c) 平成17年06月24日の議事録 (p.229)より、こども文化センターの条例を変えて、市が運営していたものを「指定管理者に任せる」とする議案に反対したときの理由:
議案第84号、こども文化センター条例についてです。こども文化センターは、市の子ども施策の総合的な拠点施設として重要な役割を持っています。中でも、わくわくプラザの職員は、一人一人の子どもを大事にするとともに、子どもの異年齢集団として、放課後の生活、遊びを通し、児童の健全育成を図ることが求められる仕事です。また、学童保育事業を包括する事業との行政の説明がある事業であり、職員の専門性と継続性は何より重要です。しかし、指定管理者制度のもとでは、登録児童や障害児に対応する必要な職員体制が、年度によって異なる状況への対応や5年間の指定期間内のベースアップの保障など、スタッフ体制や雇用形態、労働条件など、必要な対応ができるのか懸念があります。また、こども文化センター、わくわくプラザの役割・機能からすれば、遊具、設備などの環境整備は重要ですが、備品、消耗品や教材・遊具についても管理経費の範囲ということです。指定管理者制度の目的に、管理経費の縮減が図られるとある以上、専門性や継続性の確保と環境整備に対し懸念を払拭できません。さらに、けがや事故の責任について、子どもの自己責任の場合もあるという答弁は、市の事業者としての責任を弱めるものであり、この議案には賛成できません。