斉藤のどか
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教科書採択の傍聴にいきました

8月20日、教育委員会で教科書採択の会議があり、午前中だけでしたが傍聴に行きました。

小学生の教科書を採択する議論のとき、委員からは

・教科書に登場するキャラクターの性別によるジェンダーの刷り込みがある

・子どもたちの自由な発想を妨げて、考えを誘導するような文言が気になる

・市民からのアンケートには教科書のページ数が増えていることを心配する意見が寄せられている

・子どもたちの多様な家庭環境に配慮した内容のものがいい

など、共感できる意見がたくさんあげられていました。

気になったのは、先生の負担を不安視する意見が何度かあがったことです。例えば、図工の教科書で、釘を打つ単元について。ある教科書は、板にたくさん釘を打って、そのあとグループで釘のあいだにビー玉を転がしてみよう、という内容になっています。自分たちで作ったものを実際に使って楽しめて、私はいいなと思ったのですが、現場をよく知る委員からは「先生ひとりで30人以上の子どもを見ている。釘を打つのは危険も伴うし、さらにそこからグループにわかれて遊ぶというのはとてもじゃないけど見られない」との意見が出されました。

日本の35人学級よりも、生徒数が少ないのが世界では普通です。他国のように、ひとクラス20人だったら、先生の負担よりも子どもたちの学びにとって何が1番いいのか、という点で教科書を選べるのかもしれません。現役の先生に聞くと、35人でも多すぎる。しかもいまは先生不足でさらに余裕がない、といいます。必要な先生を確保するのはもちろん、少人数学級をさらに進めて、先生も生徒も余裕が持てる教育環境を整えることが必要です。

ちなみに、他の自治体では、教科書採択もとくに議論なく、機械的に決められていくようなところもあるようですが、川崎市の場合は各教育委員がすべての教科書をチェック。市民から寄せられたアンケートもすべて渡され、読んだうえで議論をします。しかも、川崎市の場合教科書採択は日曜日に行われ、会場は150人傍聴できるようになっています。市民に開かれた採択をする努力も重ねられていますが、こうしたやり方が定着したのは市民の運動があったからこそ。今後も継続させるために、市民がみていることをアピールしていくのが大切です。