福岡&大分へGO!市議団で視察へいきました
ヤングケアラー:国の補助金をフル活用
羽田空港7:30発と朝が苦手なわたしにとってはハードなスケジュールでしたが、遅刻せずに無事出発!空港から福岡市役所に直行しヤングケアラー対策について勉強しました。専門の相談窓口や家事支援をなどヤングケアラーに特化した事業を行っています。国の補助金を活用しているとのことで、改めてなぜ川崎市がやらないんだろう…とモヤモヤ。わたしは過去にヤングケアラーのことを取り上げる中で、川崎市の縦割り行政の壁を感じましたが、その点について福岡市に聞くと、特に縦割りの弊害もなく、関係局で協力しているとの事でした。
空き家その①:ちょっと余裕のある自治体
福岡市の空き家対策について。空き家バンクをやっていますが、実績数はまだまだ少ないとの事でした。福岡市は人口が増えているそうで、行政が介入しなくても、民間の市場の中で家が回っていると言う話もありました。ただ、市の空き家バンクを利用する人からしてみれば、行政が携わっていることへの安心感や信頼を感じてもらっているとのことでした。
空き家その②:危機感をもっている自治体
その後は北九州市に移動して、空き家対策の勉強。いや、まさかの同じテーマが再び登場…!と思ったけど、福岡市との違いが面白かった。北九州市のほうは福岡市と違って人口が減少しています。それもあってか、空き家対策への本気度が全く違う!市内のどこに空き家があるのか、具体的な調査をした上でその特徴を分析し見合った対策をとっています。空き家バンクもやっていますが、これは市がかなり細かく支援して、マッチングがうまくいくように対応しています。また、空き家を壊す時やリフォームをして子育て世代の住宅や社会貢献型の施設に利用する際に使える補助金制度も充実しています。特にすごいなと思ったのが「面での対策」で小さい敷地の空き家が同じエリアにある場合は、所有者の了承を得てひとつの大きな土地として民間事業者に売り渡し、再整備する取り組みも行っています。福岡市との熱の違いもすごく面白かった…!
印象に残ったのは、市の職員の方が「空き家という個人の所有物に税金を投入することはできることならやりたくない」と言っていたことです。確かに、それもそう!一方で、その空き家が有効価値をされることで、それが市にとっても新たな住民の定着や税収入につながる面もあるという話になりました。
こども図書館:川崎市にもつくりたい!!!
そして、次にこども図書館へ移動。まずとにかく、敷地の広さにびっくりしました。建物もすごい大きいし、川崎市にこれほど大きい公共施設は無いよね!と先輩議員と興奮状態に。こども図書館は議員が提案した条例が元になっているそうで、子どもの読書を促進することが大きな目的にあります。一切本を読まない子どもの割合を示す「不読率」はここ数年は全国平均を下回っているそうです。課題としては中学生以上の子どもの利用率が下がること。中学生や高校生にボランティアとして携わってもらいながら、同じ世代の子どもの利用促進に貢献してもらっているそうです。わたしが質問したのは、北九州市は人口が減り、高齢化が進む中で、子どもに特化した施設にお金をかけることに対して、市民や市議会から理解が得られたのかということですが、北九州市は数年前から日本一の子育ての街を目指してきたこともあり、世論は出来上がっていたそうです。市議会からも、応援する声をもらっているとのこと。いや、今の川崎市じゃ考えられない😢
↑カーペットの上で寝転がりながら本が読めるスペース
館内の見学中、わたしはどうしても母親の目線で見てしまう。うちの子は絵本が大好きですが、図書館に行くのはハードルがとにかく高いんです。子どものための専用のスペースはあっても、本を探すときに大声を出されたりするととにかく静かに!!!と焦ってしまうし、やっぱりのびのびと時間をかけて楽しめないんですよね。北九州市の子ども図書館は1日中過ごせるようなゆったりとした空間で、同じ子育て世代の親が集まることで、ひとつのコミュニティーにもなっているそうです。いいなぁーーー川崎市も各区にひとつずつくらいほしいなぁーーーーこのこども図書館は既存の建物を再整備して5億円でつくって、1年間の維持費は1,000万円ほどだそう。川崎市の財政規模からいうと、余裕でできるんじゃない…!?!?
グリーンスローモビリティー:川崎市とは180度ちがう「公平性」
2日目の最初は大分市でグリーンスローモビリティーを視察しました。これもとってもよかった!グリーンスローモビリティーはゆっくり走る電気自動車でコミュニティー交通として運行されています。特に過疎地域は民間のバス事業者が相次いで撤退し、住民の足をどう確保するのかが大きな課題だったそうです。グリーンスローモビリティーは、スーパーや病院など住民の生活に密着したルートを通ります。時速20キロメートルほどで幹線道路は避けなければいけないと言う難点はありますが、非常に大きなメリットが手を上げればどこでも乗り降りできると言う点です。これがやっぱり素晴らしい。バス停など乗り降りの場所が決められてしまうと、そこまで行くのが一苦労と言う方もいるので、自由に、柔軟に住民のニーズに答えられるのは素晴らしいと思いました。そして車内はベンチ席が向かい合っているので、そこで住民同士のコミュニケーションの場が作れるとの事でした。感動したのが、これを導入した理由についての説明の中で、過疎地域は市内に比べて圧倒的に公共交通が不足していて、その不公平を是正する目的があったという説明です。川崎市は、市のサービスを受けられない市民がいると不公平なのでやりませんという態度を取るのですが、(例えばお年寄りの家賃補助とか)それとは全く逆の発想で必要としている市民がいるのに救済しないのは不公平だという視点。もう感動しました…!また乗車料金は無料なのですが、受益者負担(使う人が支払うべきだ)といった議論も市議会の中ではなかったそうで、それもまたびっくり。(川崎市だったら絶対そういうことをが意見として上がる)市長の姿勢、市議会の姿勢が変わると、ほんとに大きな差が生まれるんだなと改めて感じました。川崎市の場合は幹線道路を避けるという課題が少し難しそうですが、コミュニティー交通は特に高齢化が進んで山坂も多い麻生区でも切実な要望なので、今後取り上げたいと思います🚌
↑大分市公式HPより
太陽の家:インクルーシブな社会への大事なステップ
続いて向かったのが別府市にある太陽の家。これももうすごすぎて(←語彙力のなさ😅)日本全国で同じことをやったらめちゃいい世の中になる…と想像してわくわくしました。No Charity, but a Chance !(チャリティーではなく、働く機会を!)というスローガンのもと作られた施設で、障がいをもつ方の生活の場と就労の機会をつくってきました。印象に残ったのが、創設者の中村裕博士がのこした「障がい者だけのコミュニティーがあっても意味がない。太陽の家はなくなってほしい」という趣旨の言葉。障がい者も健常者も分け隔てなく一緒に暮らすインクルーシブな社会が理想だということですよね。これには共感しつつ、そうした理想の社会を段階的に目指すうえで、太陽の家が果たしている役割は非常に大きいと思うんです。「障がいがあるからできない」ではなくて、必要な部分は科学技術で補いながらそれぞれの特性に合わせたやり方を編み出せば「できる」が増えていく。そしてひとつのコミュニティーをつくることで、まわりの環境も変わっていって、例えば街中の信号機の押しボタンが低めに設置されていたり、点字ブロックがずーーーーーっと続いて設置されていたり、太陽の家の存在が街全体に波及していく様子も見られました。
最後は山下達夫理事長とお話しをする機会もあったし、太陽の家ミュージアムとオムロン太陽の見学もできて、大満足。ミュージアムには小さなショップコーナーがあって、わたしはちびっ子たちへのお土産として陸上競技用の車椅子のプルバックカーを買いました。家に帰ってあげると、早速バービーの犬を乗せて遊んで大喜び。結構早く動くのですぐ見失って「どこーーー??」となってました。
ということで視察の内容をざっと紹介しました🤩 学んだことを今後の活動にしっかり活かしていきます。