斉藤のどか
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公害保健センター、なくされる方向に

今日は川崎・横浜公害保健センターの今後のあり方について報告がありました。いつかは来ると思っていたけど、まさかこんなに早く来るとは思わなかった…!(他会派からは「遅すぎる!」という指摘がされていましたが)結論からいうと、今後なくします、という内容。

過去のブログに書いたと思っていたら書いてなかったので、これまでの経緯をざっと話すと、公害保健センターは川崎市と横浜市が出資をしている法人で、補助金も毎年出しています。医学的な検査や呼吸器の訓練や相談事業を行っていますが、収支不足が問題とされていて、もうすぐ資金が尽きてしまう、ということでいろんな議員から見直すべきだと言う意見が相次いでいました。でも、この施設はかつて大きな被害を住民にもたらした公害問題に対して、川崎市も一定の責任を負っているという認識のもと開設されたものです。そして目的は①公害の被害者と認定された人たちの健康の回復&福祉の向上を図る ②市民の大気汚染に係る健康被害の予防に寄与。大事な目的です。それなのに、検査などは民間の病院でも受けられるようになったため「目的が希薄化した」と理事者から説明がありました。これはちょっとおかしいと思っていて、設立の背景や目的を考えれば、お金がなくなるからもうやめるという話でもないし、他の場所でも同じようなことを提供しているから自分たちはやらなくていいということにもならないと思うんです。公害の被害者を出した責任を負っている行政という視点で考えれば「目的が希薄化」するのはすべての被認定者のケアを終えた&すべての大気汚染とそれによる健康被害を根絶したときだと思います。この見直しは出発点が間違っていると思うし、行政の都合で見直しを進めること自体に違和感を感じていると意見を言いました。

そして例えば検査については、身近な民間の病院で受けられてしかもそこで治療もできるので、被認定者にとっても良いと言うな説明もあって、それはなんとなくイメージとしてわかるんですが、幅広い市民を対象に行っている呼吸器健康相談については、環境再生保全機構が行っている電話相談を紹介する方向になっています。今までリアルでやっていた相談事業を電話に移行するって利用者からしてみたら質の低下だと思うんですよね。ここも指摘をしました。他がやれるからいい、といっても、質が落ちたら意味がないです。

そしてこれ前も委員会で聞いたことがあるんですが、公害保健センターと川崎市が別途進めている「川崎市アレルギー疾患対策推進方針」との整合性を図る必要もあるということも書かれています。これが本当によくわからない。公害保健センターは公害・大気汚染がテーマになっていて、なぜそれをアレルギー対策と一緒にしてしまうのか。もちろん公害保健センターが対象としている例えばぜん息といった病気はアレルギーでも起こるというのはわかるんですが、大元の前提が全く違うものを一緒にするのは不適切だと思うです。この辺を聞いたら、「大気汚染は喘息の一因にはなるが、それだけではないさまざまな原因があると理解している」といったような答弁でした。(よくわからなくて、何度も同じような質問をしてしまって、理事者を困らせてしまいすみませんでした…!)いやでも大気汚染が一因であるけど、その他いろいろあるからといっていっしょくたにして良いことにはならないと思うんです。というのも大気汚染は、自治体が一定の責任を負っていて、もしそれが少しでも健康被害の一因になっているのであれば、それを最大限軽減する、防止する、大気汚染から市民を守る責任があると思うんです。そして近年、自動車の排気ガスによる喘息の発症が世界的な研究でも報告をされています。「ほかにいろいろ原因があるから」といって無視できる状況じゃないと思うんですよね。

(私の後に質問をした他会派の議員さんは、電気自動車等の普及により自動車の排ガスは今後落ち着くだろうと言うようなことを言っていましたが、完全になくなるまで例えば10年かかるとして、その間にぜん息を発症した人はたまったもんじゃない。取り返しがつかないものなので、ちょっとそこは今後なくなっていくにしても、今ある課題としてちゃんと取り組まなきゃいけないなと私は思いました)

つまり、大気汚染は現在進行形というのが世界の研究の結論です。さらに!川崎市の中でも多摩区だけ、子どものぜん息患者が他の区の約倍以上という状況が、7年以上にもわたって続いていることを再度指摘し、それなのに、調査すらしようとしない川崎市の姿勢はおかしい!と言いました。大気汚染の疑いがあるのに、調査すらしない。川崎市は公害の歴史から何を学んだのか疑問に感じてしまいました。

その他の案件

それからあと2つ報告があり、1つはパブコメをする案件でサウナなどの設置基準にかかる朝礼を変えますと言う内容でした。市民にどういう影響があるのかまだちょっとわからないのですが、パブコメの結果も中止して、条例改定が議会に出された時にはしっかり問題があれば指摘します。

あと病院の再編整備についても報告がありました。9月議会でも少し質問したところなんですが、入札不調があったことも報告されました。入札不調って私が議員として働き始めた時から結構頻繁に発生しているんですが、これが普通なのかな?先輩議員によると、昔はこんなになかった!とのこと。ちょっと聞いた話によると入札の準備にあたり建設に詳しい職員がもういなくなってしまったため、現状にあったものを用意できなくなっているんだとか。今後の研究課題かな。

そして戦争と平和について考える時間

委員会が終わって、お昼を食べる時間もないままに、川崎市戦没者追悼式に行きました。戦争を振り返る、大事な機会になりました。来賓や参加者の代表から挨拶がありましたが、多くの方が戦争を知らない世代が社会の多数を占めていることに言及していました。私は戦争を体験し、兄弟3人を亡くした祖父などから直接話を聞いてきているので、戦争を体験していない世代とは言え、まだその影響をリアルに感じてこられたと思います。自分が母親になった今、子どもたちにどういう風にして自分事として考えてもらえるんだろうか…原爆の日など機会をとらえて、繰り返し伝えていくことが大事なのかなと思いました。そして、戦争は政治の失敗です。政治に携わるものとして、二度と失敗を起こさない決意を常に胸に秘めて活動に励みます。